近居は多くの人が選んでいる暮らし方だ
近居という言葉は、親世帯と子供の世帯が近い範囲内に暮らしている状態のことを指しています。昔の家族は、3世代が同じ家で暮らすといった同居をよく選んでいましたが、このような暮らし方だと子供世代の夫婦が忙しい時に親世代が孫の面倒を見られるといったメリットがあった半面、年齢が違う者同士が一緒に暮らすことにより軋轢が生まれることが多いというデメリットもありました。それに対して、近居は同じ家には住まないものの、徒歩や車などで1時間以内に移動できる地域の中にお互いの家を設け、何かあった時にはすぐ訪ねられるという態勢を作っておくというやり方です。今の時代に、近居というスタイルで暮らす人たちが増えているのは、このようなやり方だと親世帯と子供世帯がお互いに自分たちの生活スタイルを維持しながら、困った時には助け合うことがしやすい点が魅力になっているからと考えられます。
比較的近い距離に家族が住んでいることで、日常的に干渉されるわずらわしさは抑えながら、お祝い事を一緒にしたり食事会をするといった交流は頻繁に持つことができます。一昔前は、若い世代は都会で暮らしてやがて結婚してマイホームを持ち、その親世代は田舎にいて年末などに帰省して会うといったライフスタイルを選ぶ人が多くいました。しかし、子育てをするのに親世代の力を借りたいという人も増えていますし、高齢になった親の健康面が心配という人も多いです。現在家族と遠く離れた場所で暮らしている人は、生活に余裕がある内に近居について考えておき、引っ越しなどで近い場所に住んでおくと将来安心して暮らせる可能性があるので検討してみてはどうでしょうか。